江戸時代には、多くの庶民が四国遍路を行いました。では、支配階級である武士は、どうだったのでしょうか。先ごろ武士のお遍路に関する論文を発表した、徳島県立博物館の学芸員、松永友和さんにお話をうかがいました。 従来、武士が主君のそばを長期に渡って離れる事は難しいとされていましたが、武士が書いた遍路日記の「四国旅日記」と、紀行文の「春夏の杖(はるなつのつえ)」には、各地で受けたお接待の様子や、巡礼の途中で詠んだ俳句が記されています。