二十一番札所 太龍寺
2016年12月25日(日)
徳島県阿南市の二十一番札所 太龍寺は、標高618メートルの太龍寺山の山頂近くに本堂、大師堂、多宝塔など数々の建物を擁する一大伽藍で、「西の高野」と呼ばれています。若き日の弘法大師が、百日間に渡って「虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)」の修行をした場所でもあります。
四国遍路の難所と言われる太龍寺ですが、平成4年にロープウェイが完成して、参拝しやすいお寺になりました。全長2775メートルの、西日本で最も長いロープウェイです。地元の紙芝居ボランティアグループ「どんぐり」は、年に3、4回、ロープウェイのゴンドラの中で、お遍路さんへのお接待として紙芝居を上演しています。片道10分の間に、1話約1分の演目を10話。太龍寺の縁起や弘法大師の龍退治など、すべて地元に伝わる昔話です。
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二十番から二十一番へ~最古の遍路道・かも道~
2016年12月18日(日)
二十番札所・鶴林寺から二十一番札所・太龍寺への途中、徳島県阿南市加茂町には、今では廃れた古い遍路道「かも道(みち)」があります。かつて、かも道は遍路道のメインルートでしたが、江戸時代の初期に近道ができたことで、ほとんど使われなくなりました。
かも道は竹林や雑木林の中を抜ける山道です。沿道には太龍寺までの距離を示す丁石や、かつては観音像を納めていた石室などの文化財が点在しています。途中、弘法大師の座像が彫り込まれた石がありました。大師が、この場所から直線距離で4km離れた鶴林寺まで飛んだという話が伝わっています。
巡礼のルートから外れて荒廃していたかも道ですが、近年、道の一部が国の史跡に指定されるなど、歴史的価値が見直されています。
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