第九番札所 法輪寺
徳島県阿波市土成町。稲刈りが済んで見通しのいい田んぼの中を歩いていると、こんもりと木々が生い茂る一画が見えてきます。九番札所、正覚山 法輪寺です。周囲を田畑で囲まれ、お寺のある場所の地名が「田中」である事から「田中の法輪さん」の愛称で古くから親しまれています。
そんな法輪寺に、このほど、新しい住職が就任しました。濱裕介(はま・ゆうかい)さん、31歳。先代であるお父さんの後を継いで、平成27年に住職になりました。
11月29日、法輪寺では大法会がありました。今回は、大法会に合わせて、数年に一度のご本尊のご開帳、それに裕介さんが住職になった事をご本尊に報告する「晋山式(しんざんしき)」も行われ、寺には朝から関係者や檀家の皆さんなど大勢の人が集まりました。
法輪寺のご本尊は、お釈迦様が入滅した時の姿を表現した涅槃釈迦如来像で、四国八十八ヶ所で唯一のものです。
晋山式は、近隣の札所の住職も出席して、厳粛な雰囲気の中、行われました。裕介さんは謝辞の中で「お釈迦様よりお大師様に伝わり、私に伝えていただきました仏法というものを、次の世代に伝えていく事が大事だと思いました」と話しました。
12月27日放送内容の再生はこちらから |
第八番札所 熊谷寺
第七番札所 十楽寺
徳島県阿波市土成町には三つの札所があります。土成町に入って最初の札所は、七番札所・光明山 十楽寺です。八つの苦しみを離れ、十の楽しみを得られるよう、名付けられたお寺です。
阿波市土成町老人クラブ連合会は、10年ほど前から毎年春に町内の札所で、お遍路さんにお茶や飴湯をふるまったり、手作りの巾着をプレゼントするなどのお接待をしています。お遍路さんに渡す巾着は、すべて、87歳の大木ツヤ子さんの手作りです。
十楽寺に近い上板町の岡田製糖所では、高級和菓子の原料になる阿波和三盆糖づくりが最盛期を迎えています。 和三盆作りは、まず、地元で栽培された「竹糖(ちくとう)」という砂糖きびを搾って、茶色がかった白下糖を作ります。この白下糖のかたまりを職人が丹念に手で練って、余分な糖蜜を抜きます。200年前から変わらないこの作業は「研ぎ」と呼ばれます。研ぎを何度も繰り返す事で、白下糖から糖蜜が抜けて、白い和三盆糖になります。
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