徳島市の「あづり越え」は、13番札所から18番札所へ直接向かう峠越えの遍路道です。1185年、源義経の軍勢が屋島に向かう際、越えるのに苦労した事から、阿波弁で「難儀する」という意味の「あづる」にちなんで名づけられたそうです。 徳島県内で遍路文化を守る活動を行っているNPO法人 徳島共生塾一歩会は、あづり越えを歩きやすいように整備しています。11月には草刈りやロープの張り替えなどを行いました。
徳島市の15番札所 国分寺は、奈良時代に全国に建立された国分寺の一つです。本堂に隣接する庭園は、徳島特産の青石を使った名園として知られています。先ごろ、本堂と庭園の大がかりな修繕工事が完了し、建物と庭が調和した壮麗な景観がよみがえりました。 修繕工事の際に、様々な発見がありました。本堂の屋根瓦の下地葺きとして使われた11万枚のへぎ板の中には、「南大師遍照金剛」や近隣の札所の名前が書かれたものも多く、当時の遍路文化の一端を窺い知ることができます。
徳島大学環境防災研究センターでは、このほど、四国に伝わる88の防災の教訓や体験談をまとめた「四国防災八十八話マップ」を作成しました。徳島県内の29話は、親しみやすいイラスト付きでわかりやすく紹介されています。 古くから洪水に悩まされてきた吉野川流域には1番から17番までの札所がありますが、17番の井戸寺を除いて、洪水が起きても浸水しない地域に位置しています。井戸寺も、建物を高石垣づくりにするなど、洪水の被害を減らす工夫がされています。お寺巡りをする時は、防災にも注目してみてください。