名西郡神山町にある、四国霊場12番札所の焼山寺。その焼山寺そばの宿として、何代にもわたってお遍路さんを支えてきたのが、お宿「すだち庵」です。しかし、後継者問題に直面し、今年の4月に閉鎖せざるを得なくなりました。 その5か月後の9月、現オーナーの角田雄士さんは、前オーナーから「すだち庵」を引き継ぎ、営業を再開させます。そして、誰もが集える宿へと再生・復活させるためのプロジェクトを立ち上げ、寄付を募りながら、「すだち庵」リニューアルの準備を進めています。
徳島市の「あづり越え」は、13番札所から18番札所へ直接向かう峠越えの遍路道です。1185年、源義経の軍勢が屋島に向かう際、越えるのに苦労した事から、阿波弁で「難儀する」という意味の「あづる」にちなんで名づけられたそうです。 徳島県内で遍路文化を守る活動を行っているNPO法人 徳島共生塾一歩会は、あづり越えを歩きやすいように整備しています。11月には草刈りやロープの張り替えなどを行いました。
徳島市の15番札所 国分寺は、奈良時代に全国に建立された国分寺の一つです。本堂に隣接する庭園は、徳島特産の青石を使った名園として知られています。先ごろ、本堂と庭園の大がかりな修繕工事が完了し、建物と庭が調和した壮麗な景観がよみがえりました。 修繕工事の際に、様々な発見がありました。本堂の屋根瓦の下地葺きとして使われた11万枚のへぎ板の中には、「南大師遍照金剛」や近隣の札所の名前が書かれたものも多く、当時の遍路文化の一端を窺い知ることができます。