第八十七番札所 長尾寺
聖徳太子の開創と伝えられる長尾寺。
山門から覗く境内は、すっきりとした神聖な空気が感じられます。
山門を入った右側の楠は、樹齢約800年と言われ、根元の穴には「おせんさん」
と呼ばれる狸が住み着いていたそうです。
その魂が残っているということで、しめ縄を巻きお祀りをするようになったのですが、
今は、その痕跡を残すのみとなっています。
古くより聖武天皇(724)、天平11年(739)に行基菩薩がこの地を訪れ、
霊感を得られ柳の木「楊柳」をもって聖観世音菩薩像の尊容を刻み本尊とし、
堂宇を建立して安置されました。
また、長尾寺は静御前が母の磯禅尼とともに得度した後、髪を埋めたと言われる
「静御前剃髪塚」があり、歴史ファンも多く訪れます。
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第八十六番札所 志度寺
志度湾に面して建立される志度寺。
開創は、推古33年(625年)と古く四国霊場屈指の古刹です。
本尊は、十一面観世菩薩立像、両脇侍の不動明王立像、毘沙門天立像は平安時代の作。
本堂、仁王門と共に重要文化財に指定されています。
こちらの閻魔堂は、寛文11年に建てられたもので閻魔様がお祀りされているお堂です。
中には真っ赤なお顔の閻魔様がお座りになっていますが、どこか愛嬌のある親しみやすい
お顔です。志度寺縁起絵によると、閻魔様は一度亡くなった方を蘇らせて、あの世で見た自
分と同じ閻魔様を作らせ志度寺にお祀りさせたそうです。
また、閻魔様の冠には観音様が10体いらっしゃいますが、これは、ご本尊が十一面観世菩薩
であることからで、全国的にも大変珍しいものです。
毎月、17日には閻魔堂を拝観することができますので、どうぞ、お立ち寄り下さい。
こちらは、藤原房前が母のために建立したと言われる「海女の墓」。
命日である7月16日には、「志度寺の十六度市」が開催され、年に一度、本尊の御開帳も
行っております。
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第八十五番札所 八栗寺
標高375mの五剣山。その8合目にある八栗山。
ほとんどのお遍路さんはケーブルカーで上がられます。
地上から剣を突き上げたような神秘的な山、五剣山が見守る八栗寺。
延歴年中、弘法大師は唐に留学する前、再度この山に登り仏教を学ぶ念願が叶うかどうかを
試すために8個の焼き栗を植えられました。無事帰国し、再び訪れると芽の出るはずのない
焼き栗が芽吹いていました。これが、八栗寺の名前の由来です。
こちらは「聖天堂」。
柏手を4回打ってお参りします。
商売繁盛や学業成就、縁結びにご利益があると言われ、「八栗のお聖天さん」と
親しまれています。
また、さぬき三大天狗の一つ中将坊さんも山の上にお祀りされており、夜、山から下りて来て、
民衆のために良いことをして朝になると山に帰って行くと言われています。
お天気が良ければ、屋島を望むことも出来る絶好のビューポイントです。
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